歯がグラグラする
TROUBLE 2
歯のグラつきは、そこに何か問題が起こっているサインです。何か原因が隠されているはずなので、舌で触れてグラグラさせると状態が悪化することもあります。
なるべく触れずにおきましょう。
歯がグラつく原因として考えられるのは、次のものがあります。
1. 歯周病が進行して歯が抜けかかっている
2. 一部の歯に偏った力がかかっている
3. 歯や歯根が割れてしまっている
4. 歯根の先に膿が溜まっている
歯は、顎の骨と歯根膜が密着することで支えられています。健康な歯であっても、咀嚼などの力で多少は動くものですが、これは、歯根膜が歯と顎の骨との間でクッションの役割をしてくれるので、0.2mm程度とわずかしか動きません。
ところが、深く進行してしまった歯周病では、顎の骨が溶かされ歯根膜が破壊された状態なので、歯にとっての支えがなくなり、グラグラと大きく揺れてしまうのです。
歯並びの乱れや歯の欠け、欠損、歯ぎしりやくいしばりなどによって一部の歯にだけ偏った力がかかっていると、咀嚼時の支えになっている歯根膜がダメージを受けます。その結果、歯を支えられなくなりグラグラしてくることがあります。
近年パソコンやスマホの普及により、人が長時間継続して下を向いている姿勢が多くなってきたことから、無意識に上下の歯が強く当たっていたり咬みしめていることが増えてきました。この力が案外強くなっていることが多く、歯を揺さぶる原因になっていることがあります。
歯や歯の根にヒビが入ったり割れてしまったりすると、歯は自立できなくなりグラつくようになります。歯の破折や歯根破折は、重度の虫歯や神経を取り除いた弱い歯に起こりがちです。
破折を起こしやすい条件としては、神経を取った歯、ブリッジの土台、入れ歯を支えている歯、歯ぎしり、食いしばりが強い、噛む力が強い、歯をぶつけた、などが挙げられます。
治療をしていないきれいな歯が突然割れることもありますが、何度も治療をしており、残っている天然の歯の部分が少ない歯の方が破折を起こしやすいです。
虫歯が深くなったり、不完全な根の治療などから歯根の先に膿が溜まると、土台がプヨプヨして歯が浮いたような感じになり、グラグラし始めます。
歯周病が原因の場合、症状によっては歯石の除去を行って歯ぐきを引き締めることで、グラグラを抑えられるケースもあります。
しかし、かなり重度の歯周病に進行している場合は、抜歯を免れません。無理に歯を残しても、周りの健康な歯まで歯周病にかかってしまうこともあるからです。
抜歯した後は、インプラントや入れ歯などで、失った歯の機能を補うこともできます。
一部の歯に偏った力がかかっている場合は、咬み合わせの不調和が原因と考えられますので、咬み合わせチェックを行い、土台を制作し、咬み合わせにあった補綴を装着します。
歯や歯根が割れている場合は、歯根が割れている場合はほとんどの場合、抜歯になります。また、歯の破折の場合は、状態によっては、土台を制作し補綴で症状は抑えられることもあります。しかし、大きく破折してしまっている場合は抜歯も考えられます。
歯根の先に膿が溜まっている場合は、根幹治療もしくは歯根端切除術によって症状が改善されることがあります。